本症例は腹痛を主訴に受診し、CT検査で膵腫瘤と肺腫瘤が同時に発見された。重複癌またはいずれかが転移である可能性が考えられた。膵腫瘤は切除可能境界癌と判断し、肺腫瘤よりも膵腫瘤が予後規定因子となる可能性が高いため膵癌に準じた化学療法を5か月間施行したところ、両腫瘤は縮小した。亜全胃温存膵頭十二指腸切除術を施行し経過は良好、その46日後に右上葉切除術を施行した。両腫瘤はともにR0切除が達成された。病理組織学的に膵腫瘤は腺扁平上皮癌、肺腫瘤は扁平上皮癌であり、いずれも転移巣ではなく膵臓と肺の重複癌であると考えられた。術後は化学療法後の病理学的治療効果から肺癌の活動性が膵癌より高いと判断され、肺癌に対する化学療法を選択。肺癌術後16か月現在も無再発生存中である。
Satoら (Sun,) は本課題を研究した。