遺伝性出血性毛細血管拡張症(HHT)は多臓器疾患である。本報告では、妊娠中に診断されていなかった肺動静脈奇形(PAVM)が破裂した症例を報告し、経カテーテル塞栓術により母子共に良好な経過を得た。患者は32歳の妊婦パシュトゥーン女性、G4P3で帝王切開歴があった。当院で二絨毛膜二羊膜双胎妊娠の妊婦健診を受けていた。妊娠20週に患者は自宅で意識消失を起こし、救急搬送された。グラスゴー・コーマ・スケールは9(E2V2M5)、血圧は57/27 mmHgであった。血液検査は重度の貧血を示し、胸部X線検査では右肺虚脱と縦隔偏位が認められた。造影CT検査で右肺中葉に35 mmの単一肺動静脈奇形および右側血胸が明らかとなった。患者は右PAVM破裂による血胸と診断された。緊急経カテーテル塞栓術を実施し、奇形の消失を確認し止血を達成した。反復性鼻出血と舌、口腔粘膜、鼻腔の毛細血管拡張症が認められ、HHTと診断された。低置胎盤と右水腎症により腹部帝王切開が施行された。2人の男児が出生し、体重は1988gと2166gであった。母子ともに良好な経過をたどった。本症例は診断されていないHHTが妊娠中の致命的なPAVM破裂を引き起こし、早期診断と迅速な血管内治療の生命救助的意義を示すものである。さらに、生命を脅かす合併症を防ぐためには妊娠前のHHTスクリーニングの重要性を強調する。
高島ら(Sun,)はこの問題を研究した。