日本において,賃金不払残業を行っている労働者の存在が指摘されており,労働時間を適正に把握することが必要とされている.本研究では,職場で把握された労働時間の正確性に関する認識および労働時間把握方法に対する満足感と労働者の心理社会的適応および労働生産性等との関連について検討した.2024年12月に「製造業」および「卸売業,小売業」の労働者を対象としたクローズ型web調査を実施した.最終的に1,482名のデータを解析対象とした.分析の結果,労働時間の正確性の認識および把握方法の満足感と心理社会的適応との間に正の関連があることが示された.また,労働時間の正確性の認識および把握方法の満足感は,実労働時間数の短さおよび労働生産性の高さとも関連していることが示された.さらに,客観的な労働時間把握方法を用いている労働者の方が,そうでない労働者よりも職場で把握されている労働時間が正確であると認識し,職場の労働時間把握方法に満足していることが示された.本研究では,これまで未検討であった労働時間の正確性の認識および把握方法の満足感についての実証的な検討を行い,それらが労働者の心理社会的適応および労働生産性等と関連することを明らかにした.特に,労働者の主観的評価が重要であることが本研究の結果から示された.今後は,職場で記録されている労働時間データや他の業種を対象とした検討,介入研究などを行っていくことが求められる.
Takada et al. (Wed,) studied this question.
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