本研究は,気候変動によって増加が予測される複雑な形状を持つハイドログラフが,出水時の河岸侵食特性に与える影響を明らかにすることを目的としている.d4PDFから算出されるハイドログラフデータを用いた河床変動計算の結果,河岸侵食に対して支配的なパラメータは,ほぼ勾配変化のない区間ではピーク流量,土砂堆積傾向にある区間では総流量であった.また,複数のピークを有するハイドログラフにおいては,蛇行内岸を短絡する流れを形成するものの完全な網状流路には至らないようなピーク流量の場合に限り,洪水波の訪れる順番によって河岸侵食量に違いが生じることが明らかとなった.この結果は,気候変動を踏まえた将来的な水害リスク評価のためには,出水規模だけでなく,流量の時間変化パターンも考慮すべき要素となることを示唆している.
Tanabe et al. (Thu,) studied this question.