症例は68歳の男性で,半年ほど前から気尿,糞尿などを自覚していた.CTで直腸S状部に膀胱上に連続する全長約8 cmの腫瘤性病変を認め,生検によりtubular adenocarcinomaの結果を得た.膀胱鏡観察で両側の尿管口は正常に保たれていた.直腸S状部癌膀胱浸潤の診断で開腹高位前方切除および膀胱部分切除,有茎回腸パッチによる膀胱拡大術を施行し,術後27日目に自己導尿なしで退院となった.病理組織学的に膀胱への浸潤を認めたが,切除断端は陰性であった.膀胱温存可能な膀胱浸潤を伴う大腸癌において,広汎な切除により残存膀胱容量が確保できない時には単純閉鎖ではなく膀胱拡大術を考慮する必要がある.回腸によるカップパッチ法は膀胱容量の確保と内圧上昇の防止に有用であるとされ,癌の根治性を保持しながら機能温存を可能とする優れた術式であると考えられた.
Ogura et al. (Sun,) studied this question.