内視鏡下鼻副鼻腔手術 (ESS) において麻酔導入時にトラネキサム酸 (TXA) を静脈内へ投与することで, 術野の視認性に与える影響および推定出血量の変化について検討した. 県立広島病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科で ESS を施行した15歳以上の両側慢性鼻副鼻腔炎100例を手術の施行時期別に TXA 投与群50例 (2023年1月から2024年10月の間に執刀した症例) と TXA 非投与群50例 (2020年11月から2022年12月の間に執刀した症例) の2群に分けた. 視認性の評価に際しては, 医師3名が患者背景を知らされていない状況下で前篩骨洞内操作中の手術動画を観察し, Boezaart scale (B. scale) を用いて判定した. その結果, B. scale は TXA 投与群が2.3 (1.8~3.0), TXA 非投与群が3.0 (2.4~3.7) であり, TXA 投与群の方が術野の視認性は有意に良好であった (P<0.01). 特に B. scale が3点以上であった症例の割合は TXA 投与群 (42%) よりも TXA 非投与群 (74%) の方が有意に高かった (P<0.01). 推定出血量は TXA 投与群が20 (20~30) mL, TXA 非投与群が28 (20~30) mL であり, 両群間で有意差を認めなかった.
世良 et al. (Fri,) studied this question.