真性咽喉頭異常感症は「のどになにかがひっかかっている感じ」を患者は訴えるが, 検査上は異常がなく, 治療に難渋することが多い. 西洋医学的にはヒステリー球と表現し, 抗不安薬や抗うつ薬が奏効する場合がある. 一方で漢方医学では「梅核気」や「咽中炙臠」と呼び, 気鬱によって引き起こされると考えられ, 定石は半夏厚朴湯である. また, 半夏厚朴湯の合剤である茯苓飲合半夏厚朴湯や柴朴湯が有効であった報告も多い. 次の一手としては, 咽喉頭に気鬱を引き起こす気逆, さらにこの気逆を引き起こしている原因を考える. 瘀血による気逆であれば, 桂枝茯苓丸や桃核承気湯, 瘀血と肝気鬱結があれば加味逍遙散を用いる. 水滞による気逆であれば苓桂朮甘湯, 四肢のむくみがひどい場合は防己黄耆湯を用いる. パニック障害のような症状があれば苓桂朮甘湯と呉茱萸湯を併用して『肘後方』奔豚湯の方意として用いるとよい. 肝気鬱結がメインであれば柴胡加竜骨牡蛎湯, 柴朴湯, 加味帰脾湯など柴胡が配合されている方剤を用いる. 胃寒による気逆であれば呉茱萸湯, 腹痛, 腹満, 腹部の緊張が強い場合は桂枝加芍薬湯が有効なことがある. 以上のように使用する漢方薬は多岐にわたるため, 患者一人ひとりの状態に応じた処方が必要となる (随証治療).
明美 呉 (Fri,) studied this question.