「接着」という現象は,界面を抜きに考えることができない。それゆえ,接着および粘着現象・表面・界面の研究・技術の進歩・発展を目指すために,界面現象を通して接着(粘着)を科学する必要性から,2008年5月に「接着界面科学研究会」が発足した。この研究会の活動の中心をなしている例会では,全体的なテーマを決めて数名の方に講演をお願いする従来形式のものにとどまらず,気鋭の研究者に発想の原点や哲学から現在までを語っていただく独演会(ロングラン講演:3時間)も多く開催してきた1)。界面を形成する少なくとも一方の成分として高分子を含む系に関して,その分子状態・物性といった基礎から,接着剤・複合材料そして表面処理といった工業的な内容までの幅広いテーマで,あらゆる面から界面について解説していただいた。それにより,界面を通してみた接着現象に関する研究の現状やその課題について,現時点でわかっていることとわかっていないことがある程度明確になった。それゆえ,界面を通してみた接着現象の未解決問題を整理し,今後の研究・開発の方向性を少しでも明確にしていく段階に来ているものと考えられる。以上のことを踏まえ,今までの講演内容を基に,筆者なりの観点から,接着現象の未解決問題について述べる。
Toshiaki Ougizawa (Thu,) studied this question.