要旨 【背景】 Ultralight plane(ULP)は,手軽に操縦が可能なため普及が進んでいる。我々は,ULPのプロペラによる上矢状静脈洞(superior sagittal sinus: SSS)閉塞を伴う頭蓋骨骨折を来した1例を経験したので報告する。 【症例】 81歳の男性。ヘルメット未着用でULPの整備中に,回転するプロペラに頭部が接触し,当院へ搬送となった。来院時はJapan coma scale 1で,右前頭側頭部と頭頂部に頭皮裂創を認めた。CTでは,右前頭骨開放性粉砕骨折,頭頂骨に開放性粉砕陥没骨折,右前頭葉に脳挫傷,右大脳半球に外傷性くも膜下出血を認めた。CT venographyでは,陥没骨折の骨片によるSSS前1/3閉塞を認めた。頭皮裂創に対して1次閉鎖を施行した。陥没骨折の骨片については,CTで静脈性出血や静脈性梗塞の所見を認めなかったこと,骨片除去によるSSSからの大量出血のリスクがあることから,骨片の整復は行わなかった。術後創部の感染兆候なく経過し,静脈還流障害も認めなかった。注意障害が残存するため,リハビリ転院とした。 【結語】 SSS閉塞を伴う陥没骨折において,SSS閉塞部位と静脈還流障害の有無を適切に評価し,外科的加療か保存的加療か選択することが重要である。また,ULP整備の安全対策として,ヘルメット着用などの予防策の普及が望まれる。
章太 et al. (Sun,) studied this question.