哲学カフェ・子どもの哲学などの哲学対話は、この15年で日本社会に浸透した。日本科学未来館の「こどもからみる不思議世界探求プロジェクト」(山口代表)では、科学的な知見をもとにした子ども/大人の哲学対話を行い、そのエビデンスの確立を目指している。主題探究的な言語コミュニケーションである対話は、単に「言語的」な「行為」ではなく、特定の場や人間関係の文脈において「身体的に創発する出来事」で、対話の発話内容も、身体性とそれを取り巻く社会・文化的環境に埋め込まれている。本企画では、間-顔身体的な相互行為と4E(Embodied, Extended, Enactive, Embedded)の枠組みで対話を捉える。通常その人の身体を取り囲むさまざまな環境要因によって抑制されていた発話内容が、哲学対話における独特の身体的・環境的な設定により解発され、場の人間関係が変容することによって創発的な発言が生まれる。本企画では、言語的なやりとりとその身体-環境的なセッティングの相関を、心理学・教育学の観点から分析する。哲学対話において重視される個々人の思考も身体的な出来事であることを示唆したい。
Kōno et al. (Wed,) studied this question.