年齢に基づく差別はエイジズムと呼ばれ,主に高齢者差別として研究されてきた。ただし,近年では,これまで被害者とされてきた高齢者自身が主体のエイジズムの存在も指摘され,その複雑性が注目されている。本講演では,はじめに,高齢者が示すエイジズムを「自分より高齢な年齢集団へのエイジズム」「自分を含む高齢者集団へのエイジズム」「若年者集団へのエイジズム」に分類し,先行研究を概観する。そして,それぞれの形態のエイジズムについて,研究成果を報告する。まず,比較的若い高齢者がより高齢な年齢集団に示すエイジズムについては,その背景要因として加齢不安との関連に注目し,日米間の比較結果を報告する。次に,自分を含む高齢者集団へのエイジズムについては,コロナ禍で実施した調査の結果を報告し,他の年齢層や他の形態のエイジズムとの違いについて考察する。そして,若年者集団へのエイジズムについては,特に最近の若者に向けられるエイジズムを取り上げ,高齢者がエイジズムを示しやすい対象や評価側面について検討する。最後に,これらの知見を踏まえ,人の生涯にわたってエイジズムの実態や生起メカニズムを研究することの意義について論じる。
Kikuchi et al. (Wed,) studied this question.