伝記分析とは,歴史上の人物の伝記資料に基づいて,人格の生涯発達を研究する方法のことである。精神分析学派の1つの流れである自我心理学の領域における伝記資料を用いた生涯発達,アイデンティティ形成に関する質的分析法である。『アイデンティティ研究のための伝記分析:生涯発達の質的心理学』(福村出版)では,伝記分析を用いた研究論文の紹介だけでなく,伝記分析についての方法論的検討や分析の手順などを詳細に示し,実際に伝記分析ができるように,大学・大学院の授業で伝記分析を取り入れられるように工夫されている。しかしながら,ハードルが高いと感じて踏み込めないこともあると考えられる。そこで本ワークショップでは実際に伝記資料に触れてもらい,歴史上の人物の青年期の息づかいを感じてもらうことで伝記分析への最初の一歩を踏み出していただくことを目的とする。ケース研究ではケース終結以後のことはわからないが,伝記分析の場合は,生涯を通しての自我発達がわかるため,臨床家養成の基礎訓練として果たす役割も大きいと考えられる。臨床家だけでなく,教員養成,保育士養成,人間発達に関わるすべての方にぜひ体験してほしい。
Miyoshi et al. (Wed,) studied this question.