本研究では,豚ロース部分肉の保存過程における多周波数インピーダンス法の有効性を検証し,インピーダンス値比と保存日数,mK値(修正K値;mK=(HxR+Hx)/(IMP+HxR+Hx)と定義されるATP分解度指標)およびうま味成分(グルタミン酸含量)との関連性を明らかにした。豚肉は適切な環境での保存により品質が向上するが,多くの小売店では保存による美味しさの変化を考慮せず,商品回転を重視した販売が行われている現状がある。本研究では,豚ロース部分肉に多周波数インピーダンス測定法を適用し,高低2種類の周波数(100 kHzおよび2 kHz)を用いたインピーダンス値比と各種指標の関係を調査した。インピーダンス値比(2 kHz/100 kHz)はmK値との間に強い負の相関(r=-0.87)が,うま味成分であるグルタミン酸含量との間にも強い負の相関(r=-0.82)が認められた。加えて,インピーダンス値比と保存日数との間にも強い負の相関(r=-0.89)が示された。これらの結果から,保存過程では保存日数の経過に伴いインピーダンス値比が低下するとともに,mK値とグルタミン酸含量が上昇するという一貫したパターンが得られた。特に,インピーダンス値比とグルタミン酸含量の高い相関は,本手法が単なる保存期間の推定だけでなく,保存に伴ううま味成分の増加という品質面の評価にも有効であることを示している。多周波数インピーダンス法は,豚肉の保存状態を総合的かつ非破壊的に評価できる技術として,従来の経験や勘に依存していた主観的な評価方法や,時間と費用のかかる化学分析に代わり,小売店や流通現場において客観的かつ数値的な品質評価を可能にするツールとなり得ることが示された。
Yamamoto et al. (Sun,) studied this question.
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