先天性中枢性低換気症候群(congenital central hypoventilation syndrome: CCHS)はPHOX2B遺伝子の病的バリアントを原因とし,呼吸中枢の異常で低換気を生じる.自律神経の異常による徐脈性不整脈も合併することがあり,突然死の危険がある.その予防にはペースメーカ植え込み術(pacemaker implantation: PMI)が有効だが,本邦でのPMIの報告はほとんどなく,PMIの適応も定まっていない.症例は5歳女児.遺伝学的検査でPHOX2B遺伝子に20/27 polyalanine repeat expansion mutationを認め,CCHSと診断した.在宅人工呼吸器を導入した.2歳時に呼吸器感染で入院中,食事中に3.6秒,4.2秒のポーズが連続し,一過性意識消失をし,嚥下性失神と診断した.4歳時にも自宅で一過性意識消失をした.CCHSによる反復性の失神と考え,PMIの適応と判断し,5歳時にPMI(VVI)を施行した.以降は失神なく経過している.CCHSの自律神経の異常による徐脈性不整脈は進行性であり,徐脈性不整脈と症状の関連が確認された症例にはPMIを行うべきである.無症候の徐脈性不整脈例や症状と徐脈の関連が確認できない症例のPMI適応には議論の余地がある.適切なPMI適応基準の確立には,本邦のCCHSの徐脈性不整脈の現状把握が必須である.
Kaneko et al. (Sat,) studied this question.