看板や広告などで幅広く用いられる漢字は,東アジア文化圏において重要な役割を果たす.漢字は象形起源であり構造的な複雑性を持つ表意文字として発展した.さらに,漢字は書道を通じて,芸術作品として鑑賞することができる.本稿の主目標は,実験美学から発展した処理流暢性理論との関連を中心に,一般的な物体判断において美しいとされる性質が漢字にも認められるかということを議論することである.そこでまず漢字の歴史,芸術としての書道などを紹介する.そして実験美学,芸術学,流暢性理論などのアプローチによる美と芸術の理論を概観する.その後,知覚的・経験的要因が非文字刺激(幾何学図形や顔など)および漢字に対する美的評価に寄与するかを検討した数多くの心理学実験を概観する.これらの知見に基づいて,流暢性理論が漢字の美しさをどの程度説明できるかを考察する.
Zhang et al. (Thu,) studied this question.