症例は55歳,女性.47歳時に肝臓S4に単発の肝転移を有する膵癌cStage IVと診断され,化学療法としてmFOLFIRINOXを開始した.化学療法開始2カ月後,CTにて右乳房腫瘤を指摘され乳癌の重複が判明した.乳癌は浸潤性乳管癌,ER陽性,PgR陽性,HER2陰性,cT2N0M0(Stage IIA)と診断した.ホルモン治療としてタモキシフェンを併用するも乳癌は増大したため,乳房切除術を施行した.その後,膵癌は肝転移が消失し,治癒切除が期待されると考え,幽門輪温存膵頭十二指腸切除術を施行した.膵癌の術後2年時に遺伝学的検査を施行し,BRCA2病的バリアントを認め,遺伝性乳癌卵巣癌(HBOC)と診断した.術後7年まで再発なく経過したため,対側リスク低減乳房切除術(CRRM)とリスク低減卵管卵巣切除術(RRSO)の同時手術を施行した.他癌の重複もしくは既往症例に対するリスク低減手術の効果は明らかではなく,リスク低減手術の適応について検討を要した.文献的考察を加えて報告する.
Jibiki et al. (Wed,) studied this question.