イチゴ生産における新たな花粉媒介昆虫としてヒロズキンバエの利用が広がっている.しかし,ハエ類は食中毒細菌等の媒介虫であり,受粉用ヒロズキンバエの飼養には食用肉が用いられているため,ヒロズキンバエの衛生面における知見が求められる.そこで,ヒロズキンバエ,既存の花粉媒介昆虫であるセイヨウミツバチおよびイチゴ果実の生菌数と細菌叢を調査した.ヒロズキンバエの成虫1 g当たりの生菌数は,1月を除きミツバチより有意に多かった.一方で,果実表面の生菌数はヒロズキンバエを放飼した場合とミツバチを放飼した場合でほぼ同等の傾向を示した.16SrRNAアンプリコン解析の結果,ヒロズキンバエの蛹と成虫の体表面における細菌叢は異なり,それぞれBacilli綱とGammaproteobacteria綱が優占していた.ミツバチの成虫では割合が高い順にGammaproteobacteria綱,Bacilli綱,Alphaproteobacteria綱,Betaproteobacteria綱,Actinobacteria綱が存在した.ヒロズキンバエとミツバチで受粉した果実ではGammaproteobacteria綱とAlphaproteobacteria綱の割合が異なり,花粉媒介虫の違いによる影響が示唆された.いずれの試験でもヒトに対する病原細菌は検出されなかった.
Atsumi et al. (Thu,) studied this question.