持続可能な社会の実現に向けて市民一人ひとりの価値観や行動の変容がもとめられるなか,義務教育課程における生物多様性教育の重要性が高まっている。本稿では,中学3年理科「自然と人間」と生物多様性教育を,探究的な活動「土壌動物の観察実験」によって接続する単元計画と実験デザインの検討および実験の効果検証を実施した。教員にとって実施しやすい実験デザインを検討し,高等学校「生物」に掲載されている検索図を用いた比較的簡便な同定においても,環境と生物の多様性との関連性を見出せることを明らかにした。また,実験後の生徒の感想をテキストマイニングにより解析した結果,「土壌動物」「驚く」「多い」などが頻出しており,実験を通して,身近な場所に多様な土壌動物が存在していたことに気づかせ,驚きを感じさせることができた。さらに共起ネットワークからは,多くの生徒が環境と土壌動物相を関連付けて振り返っていることが推察された。このことから,「自然と人間」の単元内に位置付けた「土壌動物の観察実験」は,実験に続く生物多様性学習への導入としても興味関心や意欲を高める効果があることが期待でき,理科の授業と生物多様性教育の円滑な接続に有効であると考えられる。
Kouda et al. (Mon,) studied this question.