本研究は,空海伝の通時的変容をテキストの再利用という観点から明らかにすることを目的とする.後世の空海伝形成に大きな影響を与えたとされる『遺告二十五箇条』に着目し,他の空海伝との関係性を定量化する.再利用の検出にはFastTextによるベクトル化とFaissによる類似探索を用いた.発見された再利用の概要を示し,明らかに再利用でないものを除外した.これを TEIガイドラインに準拠したマークアップに反映させ,再利用関係の可視化を試みた. 結果,25条全てに再利用が確認されたものの,第1条が顕著に多く,他の条とは大きな偏りがあることが示された.さらに,再利用と空海伝の関係を集計は『遺告二十五箇条』の享受の様相を明らかにする道程を示したと考えられる.
MIWA et al. (Sat,) studied this question.