要旨 【背景】 糞便微生物移植(fecal microbiota transplantation: FMT)は,難治性の Clostridioides difficile infection (CDI)への有効性が確立されている。しかし,CDI以外の腸内細菌叢が崩壊している難治性下痢症を対象としたFMTの報告は限られている。 【症例】 症例は,70歳代の男性。敗血症性ショックで入院後,最大2,040mLの下痢が2か月以上継続していた。Gut dysbiosisを伴う難治性下痢症の診断で,第71病日にFMTを行った。投与前は,排便回数が5~10回/日であったが,投与28日後には,排便回数は3回未満に減少した。また,血中アルブミン,タンパク,リンパ球数,IgGが増加した。便のメタゲノム解析では,FMT前はほとんどがProteobacteria門とFirmicutes門で占められ,最優勢菌の1つであるBacteroidetes門は1%以下と腸内細菌叢の崩壊が進行していた。FMT施行後の28日目には,Bacteroidetesが34%まで増加した。 【結語】 FMTにより,難治性下痢症の消化器症状,低栄養状態,免疫状態などが腸内細菌叢とともに改善することが示唆された。
健太郎 et al. (Wed,) studied this question.