要旨 【目的】 2016年の前回調査から「救急隊の感染防止対策マニュアル」の発出およびCOVID–19のパンデミックを経た病院前救護活動における感染防止対策の変化と,現在の病院前救護活動における課題を明らかにすることを目的とした。 【方法】 2024年6月に全国720消防本部を対象として,感染防止対策マニュアルの整備体制,教育体制,現場活動時の感染対策,曝露事故発生時の対応について書面またはweb回答による調査を実施し,2016年調査との比較を行った。 【結果】 全国650消防本部から有効回答を得た。2016年調査と比較して,感染防止対策マニュアルの整備率,感染防止対策教育の実施率,標準予防策実施率はいずれも大きく改善した。一方,マニュアル作成や教育における医師・感染専門家の関与は限定的であり,定期的な感染対策教育を実施している消防本部や24時間対応可能な協力医療機関を有する消防本部は半数程度に留まり,曝露事故対応マニュアルの整備も十分とは言えなかった。 【結語】 病院前救護活動における感染防止対策は大きく改善したが,医療機関との連携体制構築が今後の課題である。救急搬送事案が増加するなかで安全な病院前救護活動を担保するためにも,地域メディカルコントロール協議会への感染制御専門家の参画を含め,感染制御専門家や救急医と消防機関との協働推進が重要である。
Kobashi et al. (Wed,) studied this question.