要旨 【背景】 脂肪注入術は近年乳房再建や美容外科領域で普及しているが,様々な合併症の報告が散見される。今回,脂肪注入乳房増大術後に生じた乳房内膿瘍に対し外科的治療を施行した症例を経験したため文献的考察を交え報告する。 【症例】 40歳の女性。来院9日前に美容クリニックで腹部等の脂肪吸引および脂肪注入乳房増大術が施行され,術後にセファクロルが処方された。術後4日目から右胸部腫脹を自覚し,7日目に熱感も出現したため同クリニックでセファゾリンの点滴とレボフロキサシンの内服が開始された。9日目の再診時に改善を認めず,血液検査で炎症所見を認めたため当院に受診した。来院時Japan coma scale 1,体温39.2℃,心拍数115/分,血圧131/78mmHg,呼吸数25/分,SpO 2 98%(室内気),右乳房は著明に腫脹・熱感を呈しており,CTで右乳頭直下~腋窩にかけてガス産生と膿瘍形成を認めた。同日,右乳房内膿瘍ドレナージ術を実施し,タゾバクタム・ピペラシリンを開始した。創部培養からは Enterococcus avium , Peptostreptococcus sp. が検出された。術後経過は良好であり,第7病日にアモキシシリン・クラブラン酸の内服に切り替えて独歩で退院した。 【結語】 脂肪注入による合併症では治療が遅れると敗血症に至ることもあり,救急部門での対応を要する症例も増える可能性がある。
髙見 et al. (Mon,) studied this question.