動物を対象とする心と行動の実験的研究は心理学分野において長い歴史を持つが、近年の日本心理学会においてはその発表数は必ずしも多くない。これは動物研究者がそれぞれの専門領域の学会(例:動物心理学会や神経科学会)での発表を優先させる傾向によると思われるが(企画者も実にその一人である)、これは結果的に心理学界全体として動物研究の位置づけや現在の動向を見えづらくさせ、「動物の人たちが何をやっているかよく分からない」という分断的状況をもたらすリスクをはらんでいる。本シンポジウムではこうした現状を背景に、現在の生身の動物研究、特に実験室における学習・行動研究の実際を紹介し、あらためて心理学における基礎研究としての動物研究の位置づけや意義、あるいは単純にその面白さについて考える機会としたい。条件づけ手法を基礎としつつ薬理・神経・精神疾患動物モデルなど多様な手法を併用して「心と行動の原理・機序とその異常」の解明に向けた研究を精力的に展開している若手研究者に登壇を依頼した。行為と習慣、消去と再発、恐怖学習、自己主体感、asd、統合失調症、依存など、基礎と臨床をつなぐ多彩な動物研究の一端を紹介する。
Kosaki et al. (2025) studied this question.