本研究では,カーボンニュートラルの実現に対する脱炭素燃料の影響を評価するため,国産脱炭素燃料の新規導入,輸入脱炭素燃料の利用等の多様なオプションを考慮した基礎自治体の将来シナリオを分析した.対象地域は,製造業が集積しており,脱炭素燃料の利用計画を有する福岡県北九州市とした.シミュレーションの結果,合成燃料の利用の有無により,北九州市のカーボンニュートラルの成否が分かれる結果となった.利用された合成燃料は全て輸入燃料であり,脱炭素困難部門である製造業だけでなく,家庭部門や運輸部門で利用される結果が得られた.脱炭素困難部門を抱える地域で排出削減計画を策定する際には,輸入合成燃料の利用を検討すると共に,それによる運輸部門など製造業以外の部門への波及効果を考慮する必要があることが示唆された.
ITO et al. (2025) studied this question.