症例は78歳の男性で,ネフローゼ症候群などで当院へ通院中,1か月前より継続する食欲不振と発熱を主訴に受診した.血液生化学検査で白血球数の増加と,CTにて肝内に長径4.5 cmの腫瘤を認め,肝膿瘍の疑いで入院となった.造影CTと造影MRIで肝悪性腫瘍と診断し,腫瘍生検を行い扁平上皮癌と診断された.入院後,全身状態のさらなる悪化と白血球の増加,腫瘍の急激な増大を認めた.Granulocyte colony stimulating factor(以下,G-CSFと略記)産生腫瘍で,極めて悪性度の高い腫瘍と考え早急に肝左葉切除術を施行した.術前に測定した血液生化学検査でG-CSF値が異常高値であった.切除標本での腫瘍最大径は7.5 cm,病理検査ではG-CSF産生性が証明され,G-CSF産生肝扁平上皮癌と診断され,腺癌成分は認めなかった.術後速やかに全身状態の改善を認め,白血球数・G-CSF値は正常化した.術後5年経過した現在,画像上で再発の兆候は認めていない.G-CSF産生肝扁平上皮癌本邦報告例は3例しかなく,貴重な症例と思われた.
NAKAZAWA et al. (2026) studied this question.