小児期発症の慢性疾患患者は,成長に伴い成人診療科へ移行する過程で,医療体制の断絶や自己管理能力の不足,さらには学業・就労などライフイベントによる困難に直面し,治療中断や予後悪化をきたすことがある.このため移行期医療は単なる転科ではなく,計画的かつ多職種連携に基づく包括的支援として位置づけられる.日本でも各学会や行政によって提言やモデル事業が進められているが,小児膵疾患領域には標準プログラムが存在せず,各施設の独自対応に依存している.特に遺伝性膵炎では,小児期から急性膵炎を反復し,慢性膵炎へ進展する症例が少なくない.さらに成人期には膵外分泌機能不全や膵性糖尿病,膵癌のリスクが高まるため,計画的モニタリングと成人診療科への円滑な移行が不可欠である.本稿では,小児慢性膵炎の移行期医療における課題と対応策を整理し,患者・家族への教育,心理社会的支援,制度的支援,そして診療科間連携の重要性を論じる.
SUZUKI et al. (Tue,) studied this question.