木材保護塗料の塗膜中の防カビ・防藻剤残留濃度の経時変化を簡便に把握することを目的として,溶出試験と分光光度計を組み合わせた評価手法を提案した。基材は品質が安定している濾紙を用い,塗装した試験片を水へ一定時間浸漬させ,防カビ・防藻剤を溶出させた後,塗膜に残留した薬剤濃度を分光光度計で測定した。防カビ・防藻剤は,原体として,または原体をカプセル化して塗料に添加し,両者の溶脱性を比較した。その結果,カプセル化の方が水への溶出が遅く,長期間,塗膜中に薬剤が残留していることが明らかになった。同じ塗料を用い,耐候操作を行った後に,jis Z2911に準拠したカビ抵抗性試験と,それを参考にした藻抵抗性試験を実施したところ,同様の結果となり,本提案手法の妥当性が示された。生物試験は重要であるが,カビや藻の培養に長期間を有する。本提案手法の測定には培養操作等は必要なく,汎用の分光光度計を用い,短時間で測定できる点が利点である。
Ito et al. (Thu,) studied this question.